スポーツタイツが多くのランナーに愛用されているのには、理由があります。“なんとなく選んで”、“なんとなく使っている”方は、機能をしっかりと理解した上で、自分に合ったスポーツタイツを着用しましょう! きっとあなたの走りを、よりよくサポートします。
ランニングコーチの高尾憲司さんにお話を伺いました。
監修:ランニングコーチ 高尾憲司さん(株式会社ブルーミング 代表)
スポーツタイツの機能
初めてスポーツタイツを履く人にとっては、「きつめに作られていて履くときに大変そう」「独自のラインが入っている」という見た目の印象がまず強いのでは…? これらは、スポーツタイツが備えている特徴的な機能によるものです。
●サポート機能
股関節やひざなどの関節、ふとももやふくらはぎの筋肉をサポートすることで、ランニング時の負担を軽減する機能。ワコールのCW-Xは、テーピングをタイツに組み込むという発想からサポートラインを設計しています。
ランニング講習会で指導する高尾憲司コーチは、参加者のフォームをみて、その人にあった「スポーツタイツ」のモデルをアドバイスしていると言います。
「ランニングフォームはその人の今までの経験により獲得されており、理想のフォームにはそれなりの時間が必要です。ですから、皆さんのフォームを確認させてもらうと、どこに負担がかかりやすい走りをしているかが見えますから、そこをサポートする機能が高いタイツをおすすめしているんです」(高尾コーチ)
また、フォームだけでなく、走力や「このくらいで走りたい」という目標、つまり“スピード”も、スポーツタイツのモデルを選ぶ際に考慮します。
「ランニングの着地衝撃は主にふとももの前にある大腿四頭筋が受け、この筋力が疲労で低下することによって、ひざの周辺にも大きな負荷がかかります。ですので、ひざをサポートすることはどんなモデルでも重要なんですが、スピードが出せる速い人にはさらに、太もも裏のハムストリングスや臀部の筋肉までサポートするものがいいと思います。スピードを出すためピッチを上げることにはある程度限界があって、やはりストライドを長くすることが走速度の維持に影響してくるんですよね。一歩が長く伸びてくるような股関節の動きを、しっかりサポートするモデルがいいでしょう」(高尾コーチ)
●スポーツタイツのタイプ
初心者におすすめのエントリーモデルからハイスペックモデルまで、スポーツタイツには様々なタイプがあります。
モデルによってサポートしてくれる部位も異なってくるので、使うシーンや目的に合ったものを選びましょう。
CW-Xの代表的な3モデルのうち、「バーチャルマラソン 2021春」でモニター企画も行い、広くランナーの皆さんにおすすめしているのは、着地時のひざへの衝撃を緩和するエキスパートモデル。
高尾コーチが言及している股関節の動きをサポートするものはスピードモデル®です。
●そのほかの機能や着用メリット
- ・吸汗速乾
- ・UVカット率90%以上
CW-X独自のテーピング原理による関節や筋肉の負担軽減以外にも、スポーツタイツにはランナーにうれしいいくつかの機能があります。吸汗速乾性などは、快適さという点でかなり履き心地を変えてくれるものです。
CW-Xのスポーツタイツのように「コンディショニングウエア」と呼ばれるものは、“中級者以上がハードに走るとき着用するウエア”というイメージがあるかもしれません。しかし、カラダを守り、動きやすくサポートし、快適な着心地のしっかりとしたスポーツタイツはビギナーランナーの方にこそ、ぜひおすすめしたいアイテムです。
おすすめ商品
スポーツタイツ
「エキスパートモデル2.0」
CW-Xのベーシックサポートモデル。ジョギング・ウォーキング等、ひざに負荷がかかるスポーツにおすすめ。
¥13,200(税込)
サポート部位:股関節、ふともも、ひざ、ふくらはぎ
設計:CW-X独自の段階着圧
着地の衝撃からひざを守る
やわらかく、肌あたりなめらかで軽量性と耐久性を追求した素材
■「バーチャルマラソン2021春」参加者限定! 製品モニター募集中! »
Runner’s Voice 「エキスパート」着用ランナーの声
スポーツタイツでこんなに違うのか!と驚きました
佐々木明男さん(47歳)
走歴 9カ月
コロナ禍において運動不足を感じ、昨年から走り始めた佐々木明男さんは、1本目のスポーツタイツ選びで「失敗した」と語ります。選び方のガイドに沿って身長とウエストからサイズを判断し、ネットでオーダー。実物が届くと、履くのも大変でしたが、とにかく脚が動かせないほどキツく、まったく走れなかったとか。しかし、1サイズあげて再度トライしたところ、今度は逆に嬉しい驚きが!
「いつも通りのペースで走ったつもりでしたが、TATTAで確認したらベストタイムの時に近いペースで走れていました。また、これまでは何日か続けて走っていると、ひざに違和感が少し出てきていましたけど、それも感じなくなりました。こんなに違うなんてビックリです」(佐々木さん)
スポーツタイツを使う前は、素足だと気恥しいという理由でソフトな“スパッツ”を履き、「いま思うと、なんの機能もありませんでしたね」と笑う佐々木さん。最初のスポーツタイツが失敗だったのも、昔から筋肉質で脚が太めだったとのこと…ウエストに合わせたパンツ選びだとスーツでも苦労したそうです。
佐々木さんの経験談の通り、初めてのスポーツタイツの購入では、自分に合ったサイズを見つけるのに注意が必要です。締め付けの強さの確認もありますが、段階的な着圧やラインが、正しい位置にくるように履けるか?というのも重要なことです。最初は試着で確認してからの購入がおすすめです。
故障せず、長くランニングを楽しむために(from 高尾憲司コーチ)
ランニングクリニックを開催するとき私が参加者の皆さんに一番伝えたいのは、「故障せずに走り続ける」ということです。もっと距離を走りたい、速く走れるようになりたい、と思ってどんなに練習しても、故障したら元に戻ってしまいますから。
最初は「健康のため」であったりとか何かささやかな目標を持って始めたランニングでも、トレーニングを積み重ねていくと、ヒトって目標がだんだん高くなっていったりします。そして興味深いことに、カラダとしては心肺機能がまず伸びてくるので、練習をすればするほどラクになってきて、もっともっと…と練習してしまう。でも、筋(筋力)は心肺機能と同じようには伸びてこないんですよ。どうしても後からくるんです。
ですから、やはりその「心肺機能が高まって無理ができるようになってきている」とき、そのときに「筋力はまだ」だと意識して、無理をしないことが大事。故障しないためには、練習をしながら「いかにカラダのケアをするか」なので、栄養を十分にとることや、練習量を考えること、回復のための休養の時間を計算すること、それから今回すすめているスポーツタイツなどをうまく使うこともよいサポートになります。
同時に、ランニングとは別に「筋を鍛える」ことも、特に40代以上の方にはおすすめします。目的の骨格筋(大腿四頭筋など)に合わせた、レジスタンストレーニングが良いでしょう。